统合失调症死后脳知见「统合失调症の死后脳知见」
近畿大学医学部精神神経科学教室
白 川 治
E-mail: sirakawa@med.kindai.ac.jp
死后脳研究は,统合失调症の生物学的病因を明らかにする上で,最も直接的なアプロー
チである.以下にこれまでの主な知见を绍介する.
1)神経病理学的知见
マクロ:侧头叶内侧部(海马 海马傍回 扁桃体)の体积减少
ミクロ:海马 海马傍回 嗅内野における神経细胞の减少や走行 位置の异常,大脳皮
质における神経细胞数减少を伴わないneuropilの体积减少
グリオーシスを伴う変性がみられないことが,神経病理学的知见の特徴である.これま
での研究からは疾患特异性の変化は见出せなかったものの,近年の神経発达障害仮说や
神経画像学的アプローチの础となった.
2)神経生化学的知见
死后脳における神経生化学的研究は,主に,抗精神病薬の作用机序,统合失调症モデル
动物などから立てられた仮说を検证する形で行われてきた.当初,缲り返し报告されて
きたのは,线条体,侧坐核におけるドーパミンD2受容体の増加である.しかし,抗精
神病薬长期服用の影响を否定できないことに加え,前头叶 侧头叶といった统合失调症
の病态と深く関连するとされる部位での変化を同定することは困难であった.その后,
神経発达障害仮说に基づき,神経栄养因子,细胞接着因子,シナプス関连蛋白,アポト
ーシス関连蛋白,オリゴデンドロサイト関连蛋白などの変化についても解析が进められ
ている.
3)DNAマイクロアレイによる解析,プロテオーム解析
これまで想定されなかった未知の遗伝子の関与をも明らかにする目的で,死后脳におけ
る遗伝子発现量の差异を指标にしたDNAマイクロアレイによる解析,蛋白発现量の差异
を指标にしたプロテオーム解析などがある.特に前者は,统合失调症候补遗伝子スクリ
ーニングのための有力なアプローチとして最近その成果が次々と报告されている.
しかし,死后脳研究にはいくつかの基本的な问题点を抱えている.すなわち,1)死因,
死后変化の影响,2)抗精神病薬长期服用の影响,3)限られたサンプル数,などであ
る.こうした问题を克服するためには,クオリティ コントロールのなされた十分な数
の死后脳サンプルが必要である.そのためには,全国规模のブレイン バンクの设立
运用が急务の课题である.
文献
Ross CA, Margolis RL, Reading SA, Pletnikov M, Coyle JT.
Neurobiology of schizophrenia.
Neuron. 2006 Oct 5;52(1):139-53.
Stan AD, Ghose S, Gao XM, Roberts RC, Lewis-Amezcua K, Hatanpaa KJ, Tamminga CA.
Human postmortem tissue: what quality markers matter
Brain Res. 2006 Dec 6;1123(1):1-11. Epub 2006 Oct 12.
393971
·上一篇:(ー)统合失调症神経伝达系机能障害
·下一篇:脊髓小脑运动失调症探讨
近畿大学医学部精神神経科学教室
白 川 治
E-mail: sirakawa@med.kindai.ac.jp
死后脳研究は,统合失调症の生物学的病因を明らかにする上で,最も直接的なアプロー
チである.以下にこれまでの主な知见を绍介する.
1)神経病理学的知见
マクロ:侧头叶内侧部(海马 海马傍回 扁桃体)の体积减少
ミクロ:海马 海马傍回 嗅内野における神経细胞の减少や走行 位置の异常,大脳皮
质における神経细胞数减少を伴わないneuropilの体积减少
グリオーシスを伴う変性がみられないことが,神経病理学的知见の特徴である.これま
での研究からは疾患特异性の変化は见出せなかったものの,近年の神経発达障害仮说や
神経画像学的アプローチの础となった.
2)神経生化学的知见
死后脳における神経生化学的研究は,主に,抗精神病薬の作用机序,统合失调症モデル
动物などから立てられた仮说を検证する形で行われてきた.当初,缲り返し报告されて
きたのは,线条体,侧坐核におけるドーパミンD2受容体の増加である.しかし,抗精
神病薬长期服用の影响を否定できないことに加え,前头叶 侧头叶といった统合失调症
の病态と深く関连するとされる部位での変化を同定することは困难であった.その后,
神経発达障害仮说に基づき,神経栄养因子,细胞接着因子,シナプス関连蛋白,アポト
ーシス関连蛋白,オリゴデンドロサイト関连蛋白などの変化についても解析が进められ
ている.
3)DNAマイクロアレイによる解析,プロテオーム解析
これまで想定されなかった未知の遗伝子の関与をも明らかにする目的で,死后脳におけ
る遗伝子発现量の差异を指标にしたDNAマイクロアレイによる解析,蛋白発现量の差异
を指标にしたプロテオーム解析などがある.特に前者は,统合失调症候补遗伝子スクリ
ーニングのための有力なアプローチとして最近その成果が次々と报告されている.
しかし,死后脳研究にはいくつかの基本的な问题点を抱えている.すなわち,1)死因,
死后変化の影响,2)抗精神病薬长期服用の影响,3)限られたサンプル数,などであ
る.こうした问题を克服するためには,クオリティ コントロールのなされた十分な数
の死后脳サンプルが必要である.そのためには,全国规模のブレイン バンクの设立
运用が急务の课题である.
文献
Ross CA, Margolis RL, Reading SA, Pletnikov M, Coyle JT.
Neurobiology of schizophrenia.
Neuron. 2006 Oct 5;52(1):139-53.
Stan AD, Ghose S, Gao XM, Roberts RC, Lewis-Amezcua K, Hatanpaa KJ, Tamminga CA.
Human postmortem tissue: what quality markers matter
Brain Res. 2006 Dec 6;1123(1):1-11. Epub 2006 Oct 12.
393971
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